KCS鹿児島情報専門学校

自己点検・自己評価

自己点検・自己評価の公表について(総括)

令和2年3月
KCS鹿児島情報専門学校
学校長 瀬筒 洋一

当校における自己評価の取り組みについて

令和2年度の自己評価の結果を公表いたしますので,本校における教育サービスの現状を正しくご理解いただきますようお願いいたします。また,本校の改善に資するためのご助言がいただけましたら,幸甚に存じます。

令和元年度自己点検・自己評価の結果について

教育理念・目標

本校は,電子開発学園の一員として,「IT人材育成に関する国策の推進役を担うとともに,IT企業が求める実践的なIT人材を育成することにより,情報化社会の進展に寄与する」を変わらぬ理念として堅持しています。

理念・目的・育成人材像の見直しは,カリキュラム検討委員会で定期的に時代の変化・ニーズに対応すべく,学科構成,教育環境,教育内容など,ハード面,ソフト面の両方において適宜見直しを行っています。

変化する社会や学生のニーズを考慮し教育改革を図り続けるには1校だけでは限界があります。本校では,電子開発グループ内のIT企業と連携し,ITに係る職業実践専門教育に求められる業界ニーズを把握し,専門職業人を育成するための教材を共同で開発し,その成果を教育現場に反映できることが,最大の強みとなっています。

  • 本校のカリキュラムは情報処理推進機構(IPA)が提供するIT人材育成のための「iコンピデンシディクショナリー(iCD)」に準拠すべく毎年見直しを図り改善しています。(iCDを継続的に活用した教育実績が評価され,令和元年4月にはiCD Gold☆の認証を得ました。)
  • 本校の教育課程は,学園のカリキュラム検討委員会が作成したモデルを基本としつつ,教育課程編成会議における地域IT機関や企業の委員の意見を踏まえたものになっています。令和元年度はシステム開発分野の人材であっても基礎的なデザインスキルは必要との指摘を受け,システム専攻の1年次に,PhotoshopやIllustratorなどのデザイン系の実習を組み込みました。

学校運営

学校運営の基本方針は,学園グループ10校が共通した意思決定をまず行うことで,学校単独の偏った意思決定を避け,時代に即した全国的に共通する意思決定を行い,そのうえで地域性を考慮した学校運営を行っています。

ここ1・2年若手職員が入ってきているので,教育レベルを落とさないように,新人教員研修や技術研修に参加させたり,ベテラン講師によるOJT研修を計画的に進めたりして,若手教員の育成に注力した結果,教育現場に特段の混乱もなく,例年並みの教育成果を上げることができました。しかし補習時間や学生指導の増加に加え教材研究の時間が増え,教員の残業時間が大幅に増えてしまい,働き方改革に逆行することとなってしまいました。さらに令和2年から始まるAI専攻及びスマートビジネス専攻の教材開発や新技術動向の調査等の進捗が停滞しました。専門性の高い科目の中には,授業を担当できる教員が1人しかいない手薄な状況になっているものもあるので,引き続き教員の底上げによる職場環境改善を図ります。

教育活動

教育内容は,教育課程編成会議の中で企業や有識者の意見を伺いながら,新技術に対応したカリキュラムの検討,見直しのほか,業界ニーズや学生ニーズの分析・検討を行い,修業年限に応じたレベルを設定しています。

カリキュラムは,ITの基礎学習の効率を高めながら,専攻制により多様化した学習ニーズに応える構成になっています。ITの基礎教育を終えてから専攻分野を決定することで,学生が自分の興味や将来像を理解してから専攻を決定できるようになっています。

教育内容の評価改善活動の一環で,受講生から科目の修了時にアンケートを収集し,アンケート結果や科目試験の結果に基づいた報告書の作成,報告会を実施し,授業の評価,改善に繋がる活動を続けています。アンケートを分析すると次の3点の課題があることがわかりました。

  1. 授業満足度が低い科目や教員に対する不満も一部見受けられた。教員の適材適所の配置や,教授力の底上げを行い改善いたします。
  2. トイレ等の設備改善を求める意見があったので,更新を検討します。
  3. 授業スケジュール変更の連絡遅れが見られたので,速やかに改善します。

情報システム専門科については,提携企業講師による職業実践型授業を取り入れ,学生主体の授業が行い,授業終了後のアンケートにおいても高評価を得ています。今後は他学科においてもこのような実践型授業を増やしていきます。

IT/AIの進展と社会ニーズへの対応に加え,多様化した学生ニーズにも柔軟に応えるために,選択科目の一部には学科・学年横断型や習熟度別授業を取り入れて,できるだけ学生の能力や興味に合う授業を提供しています。学年縦断型の授業は,上級生が下級生を指導しながらプロジェクト開発を体験する演習科目ですが,システム専攻生は,上級生と下級生の交流経験が乏しいことから,話し合いや役割分担ができず,上級学年生の負担が過重にとなる問題が発生しました。次年度は別な方法での実施を検討しています。ゲーム・CG専攻生は,共通の趣味により学年が異なっても交流できており,社会人基礎力の向上につながる成果が得られているので,同じ方法を継続します。

教育課程編成会議において企業委員から主体的に行動できない卒業生がいるとの指摘を受けました。これを改革するためには,教員が「技術を教える」教授スタイルから,「主体的な学び」を導く授業スタイルに変える必要があり,アクティブラーニング導入のための研修を繰り返し実施し教員の意識改革を図っています。「主体的な学び」の場として,システム開発研究や卒業研究を始めとした実習・演習科目において,自ら興味分野を見つけ主体的に研究したり共同作業したりすることで,社会人としての求められる基礎的な力を育成しています。 大学併修科2年生3年生が行ったシステム研究は,AIやIOTを活用したユニークな研究テーマが数多くあり,主体的な学びによる成長を強く確認することができました。

地元IT企業様の協力により,SQL実践講座を実施していただき,実際の現場で使用される処理効率の良いSQL文の書き方を学びました。

学修成果

教育実施計画書及び就職指導計画書において教育活動の方針と目標を定め,それに基づいて教育活動を行った結果,主要目標として設定している進級・資格取得・就職の3部門は概ね目標を達成することができました。情報処理技術者試験においては,各学年ともバランスよく合格者を出した結果,年度内合格者が142人(前年は117人)に増え,総じて好成績を残すことができました(年度内合格者の内訳 ITパスポート試験:25人,情報セキュリティマネジメント試験:30名,基本情報技術者試験:61人,応用情報技術者試験:20名,ネットワークスペシャリスト試験:1人,データベーススペシャリスト試験:2人,情報処理安全確保支援士試験:3名)。鹿児島県内では断トツの実績を残していることが,学生募集の好結果にも結びついていると考えています。難易度の高い試験に合格する者が増えたり,何度跳ね返されても諦めることなく粘り度よくチェレンジし合格することで大きな自信を得たりした者が多数出たことは評価に値すると考えます。今後も習熟度に応じた目標設定を行い,努力を継続し目標を達成することで自信を育む教育を継続します。

令和元年度の就職活動は,企業の採用意欲も高く概ね順調に推移しましたが,最後まで内定を勝ち得ない学生が出てしまいました。早くから個別指導を繰り返し励まし続けましたが,コミュニケーション能力育成の難しさを痛感する結果になりました。 県内就職者は45%(平成30年度40%)でした。県外IT企業の採用意欲は高く,学生もまた意欲的な者ほど県外の優良企業に就職する傾向があります。令和元年度は大学併修科の在籍が少なかったこともあり,前年度に比べて上場企業への内定者が減ってしまいました。また,求人が好調なことから新しい内定先企業が増えた半面,長年に渡り継続的に採用していただいている企業へ斡旋できないケースが増えたので,次年度の就職指導においては,企業との信頼関係維持について十分に配慮いたします。

真面目で努力する学生が多いので,今後も専門教育のみならず,日々の授業の中でキャリア教育を充実させ,社会人基礎力を育む活動を行い,外部コンテストで成果を出したり様々な外部活動に参加したりして自信を育む取り組みにより,主体的に就職活動ができる学生を育て,就職の質を更に高めていきます。

情報処理業界標準のベンダー資格取得に取り組むために,Microsoft,Oracle,SEA/J,Comptia等の教育プログラムも導入し,受験会場校として格安で校内で受験できる環境を整え,学習意欲の喚起と成功体験を積ませています。

本校ではPINE-NETⅡと呼ぶ遠隔教育システムにより,教育工学を駆使して効率的で分かり易い授業をおこなっています。PINE-NETⅡは毎回授業終了後アンケートを収集し,授業改善を図っています。またPINE-NETⅡでは各方面の専門家を招聘して実践的な授業も行っています。その他に資格取得のためのe-Learning教材を積極的に活用したり,難易度を段階的に高めながら理解度を深めていく教材を開発したりした成果が,資格取得率の向上に結び付きました。

学生支援

本校では学生一人に対し,クラス担任,就職指導担当などが連携して学習・進路をサポートする体制をとり,更に保護者と連携して指導しています。クラス担任による学生相談の他にハラスメント相談窓口や専任カウンセラーによる学生相談を実施しています。

経済的側面に対する支援体制は,入学対象者に対しては奨学金制度をはじめとした独自の学費支援制度を設けています。2年目以降については学校独自の奨学生制度がないため,日本学生支援機構等からの奨学金貸与を勧めたり,民間教育ローンの在学中の利息負担を肩代わりしたり,学費の分納や延納の相談に応じたりしています。

日本学生支援機構等から奨学金の貸与を受ける学生が増えています。卒業後に返済が滞ることがないように,申込・資格確認・返還手続の各タイミングで,返還の意義や,就職することの重要性等を繰返し指導しています。

令和2年度から始まる高等教育段階の教育費負担軽減新制度において,学費減免の対象校として認定されました。在校生の2割が,この制度の在学採用を申請しています。彼らの申請が認められ,卒業まで経済的支援を受けられるよう指導します。

令和元年度も退学者を減らすことを教務の最大目標として,教務部長を長とした学科長,担任,教育カウンセラーから構成されるチームによる退学危険予知と防止活動に全力で取り組んだ結果,退学率は4.2%でした (平成30年度5.2%)。

主な退学原因は意欲欠如・進路変更・経済的理由によるものでした。残念ながら友人間のトラブルに起因するものもありました。社会的不適応や学習不振に起因する意欲低下が退学に直結するため,先生はこまめに面談し異状を早めに見つけ心理面のケアを含めて対応するコンセンサスができ上がってはいますが,先生方の負担も年々大きくなっています。

退学防止には,信頼関係に基づいた指導は極めて大切ですが,学生に寄り添う指導だけでは限界があります。成績不振者を減らすためには,厳格な入学試験の実施,基礎学力不足者に対するリメディアル教育の実施,興味関心や基礎学力に応じた科目の選択や目標設定についての柔軟度を高める施策の実施や,主体的学びによる支え合えるクラス運営など,統合的に改革を更に図っていきます。

教育環境

施設・設備は,教育上の必要性に十分対応できるよう整備しています。実習用パソコン等についても,計画的に更新を行っています(令和元年度は2教室リプレース)。

在学中にインターンシップに参加することを推奨しており,夏休み中のイベントとして定着しています。(参加実績:平成28年度75名,平成29年度67名,平成30年度55名,令和元年度67名)今年度は学生を採用していただいている企業様に協力していただき,IT系企業13社に59名の学生が参加しました。

本校には体育系の他文科系クラブが多数あり,学生は最低1つのクラブに所属し,集団の中で主体的に活動することを推奨しています。

ボランティア活動についても推奨し斡旋を行っています。今後は更に外部コンテスト等へ積極的に参加し社会的評価の高い成果を出す取り組みを強化します。

健康増進法改正による学校敷地内原則禁煙の義務化に先がけ、本校では平成31年4月から敷地内完全禁煙としました。幸い敷地内禁煙に伴う近隣トラブルも発生せず定着しているので、引き続き禁煙や危険ドラック防止を啓蒙します。

学生の受入れ募集

学生募集広報については,単年度ごとの募集活動計画書を策定し,入学者獲得のための活動を展開しています。広報ツールの出稿内容や説明表現は,その真実性,明瞭性,公平性,法令遵守等について,担当する広報企画室,入試課が十分な配慮を行うとともに,入学希望者に十分な判断材料を提供できるよう実施しています。

就職実績や資格取得実績等の教育成果のデータを蓄積し,入学案内パンフレットやホームページ等に正直に掲載しています。特に,入学希望者に対しては最新の就職内定状況や資格取得状況をタイムリーに提供し,事実を正確に伝えています。入学希望者はホームページを閲覧し他校と比較評価し絞り込んでいます。入学希望者や志願者,その保護者からの問い合わせや相談に対しては,オープンキャンパスや学校説明会,個別相談等で適切な対応ができるよう体制を整えています。オープンキャンパスでは,学生スタッフが直接来校者と語らう場面を設け,正直に学校生活を伝えるようにしています。このような取り組みにより,オープンキャンパス参加者の満足度は高いことをアンケートで確認しており,参加者の志願率の高さに結びついています。

令和元年度は,最近の募集状況を踏まえ,以下の通り設置学科・専攻の改変を図り,学生募集を行いました。

  • AIやIOTの活用が社会的に注目されており,本校の志願状況も就学年度の長い3年課程・4年課程の入学者が増える傾向が続いているため,これらの課程にAI専攻を設置し,併せて3年課程である情報システム専門科の定員を増やした。
  • ビジネス系学科は,市場規模が縮小している上に短大と競合しており志願を増やすことは難しいと判断し募集を停止したが、新たに情報メディア科(2年課程)にビジネス系ソフトの利活用技術だけでなく、プログラミングやRPA概論、マーケティング理論などを学ぶスマートビジネス専攻を設置した。

令和2年度は、設置学科・専攻の改変は行わず、新規にスタートするAI専攻、スマートビジネス専攻の定着図ります。

本校の強みであるIT技術者養成の実績とAI専攻の新設をアピールしオープンキャンパスの参加者を増やすことができた結果,志願者は順調に伸び3学科とも定員を充足することができました。大学入試制度最後の年度でもあり,他大学との併願者が大幅に増えました。私立大学に合格しても本校に入学するパターンも増えており,本校のステータスが上がってきていることを実感できました。大学併修科は他学科に先駆けて定員充足したので,次年度もこのような傾向が続くなら,再度定員拡充を検討します。

入学選考については,学生募集要項に記載した日程と入試方法により,適正かつ公平な基準により選考しており,本校の教育内容への理解や熱意も合否判断材料としています。AO入試は定着していますが,学力検査を課していないことによる弊害も一部見受けられます。このため,令和3年度生の募集から,全ての入学選考に面接試験と適性検査を義務付けました。

学納金は,他校の学納金も参考に,地域特性および学科の特性に合わせて定めています。入学辞退者に対する学納金の返還についても,学生募集要項に返還申出期限を記載し,コンプライアンスを尊重し,社会的に適切な対応を行っています。

財務

厳しい募集環境にはありますが,IT人気の復活もあり入学者が増えてきています。財務状況は,帰属収支差額比率がプラスとなっており,財務基盤は安定していると言えます。

18歳人口の減少に伴い専門学校への進学減少等が予想され,収益環境も長期的には厳しくなる事が予測されます。また人件費や輸送コスト,更には消費税負担が増えているので,固定費の削減・経費節約に更に努めつつ,教育の質の低下をさせないよう,一層取り組んで参ります。

法令等の遵守

電子開発学園グループ全校において法令や専修学校設置基準等に準拠した規程・規約等を制定・運用し,監査により運用状況の適切性が確認されています。

個人情報保護にいち早く取り組み,平成17年からコンプライアンスプログラムを構築しています。平成18年から平成29年度まで,プライバシーマークを取得しマネジメントシステムを発展・改善を繰り返し,定着させました。現在はプライバシーマークの認証はコスト及び作業負担軽減の観点から維持していませんが,個人情報保護は非常に重要であるので,今後も教職員に対する教育を徹底しプライバーマネジメントシステムの維持を図ります。学生についてもカリキュラムの中に教育を組み込むことで啓蒙を図っていきます。情報セキュリティや学生のSNSトラブル等は発生していません。

本校における自己評価の詳細については、本校内で詳細報告書を公開しています。閲覧ご希望の方は、来校日時を予約の上、ご来校ください。

以上