自己点検・自己評価

自己点検・自己評価の公表について(総括)

平成30年4月
KCS鹿児島情報専門学校
学校長 瀬筒 洋一

当校における自己点検・自己評価の取り組みについて

 平成29年度の自己評価の結果を公表いたしますので,本校における教育サービスの現状を正しくご理解いただきますようお願いいたします。また,本校の改善に資するためのご助言がいただけましたら,幸甚に存じます。

平成29年度自己点検・自己評価の結果について

  • 教育理念・目標

 本校は,電子開発学園の一員として,「IT人材育成に関する国策の推進役を担うとともに,IT企業が求める実践的なIT人材を育成することにより,情報化社会の進展に寄与する」を変わらぬ理念として堅持しています。

 理念・目的・育成人材像の見直しは,カリキュラム検討委員会で定期的に時代の変化・ニーズに対応すべく,学科構成,教育環境,教育内容など,ハード面,ソフト面の両方において適宜見直しを行っています。

 変化する社会や学生のニーズを考慮し教育改革を図り続けるには1校だけでは限界があります。本校では,電子開発グループ内のIT企業と連携し,ITに係る職業実践専門教育に求められる業界ニーズを把握し,専門職業人を育成するための教材を共同で開発し,その成果を教育現場に反映できることが,最大の強みとなっています。

 ・平成28年度のカリキュラム検討委員会では,学園のカリキュラムを情報処理推進機構(IPA)が提供するIT人材育成のための「iコンピデンシディクショナリー(iCD)」に対応すべく見直しを図り,平成29年度には新規に3科目を追加し,更に一部の科目で修正を図りました。尚平成29年4月,IPAから電子開発学園のiCD活用の先進的な取り組みが評価され,iCD Silver Plus の認証を得ています。

 ・本校の教育課程は,学園のカリキュラム検討委員会が作成したモデルを基本としつつ,教育課程編成会議における地域IT機関や企業の委員の意見を踏まえたものになっています。平成29年度は教育課程編成会議で指摘された社会人基礎力向上のために,「主体的な学び」をテーマに授業改革を図りました。

  • 学校運営

 学校運営の基本方針は,学園グループ10校が共通した意思決定をまず行うことで,学校単独の偏った意思決定を避け,時代に即した全国的に共通する意思決定を行い,そのうえで地域性を考慮した学校運営を行っています。

 平成29年度は,働き方改革として契約職員の雇用環境改善(無期雇用制度の創立)を図りましたが,定年後の再雇用者の待遇改善については継続検討することとなりました。

 職員の定年退職者に代わり若手職員が入ってきているので,教育レベルを落とさないように若手職員の育成を計画的に進めています。

  • 教育活動

 教育内容は,教育課程編成会議の中で企業や有識者の意見を伺いながら,新技術に対応したカリキュラムの検討,見直しのほか,業界ニーズや学生ニーズの分析・検討を行い,修業年限に応じたレベルを設定しています。

 カリキュラムは,ITの基礎学習の効率を高めながら,専攻制により多様化した学習ニーズに応える構成になっています。なお平成28年度入学生からITの基礎教育を終えてから専攻分野を決定する方式に変更し,2年目を迎えました。この方式は学生が自分の興味や将来像を理解してから専攻を決定できる利点を確認できており,クラス担任制の利点が弱まる弊害を講師間で情報交換を密にして防止しながら,定着を図っています。

 教育内容の評価改善活動の一環で,科目の修了時に受講生からアンケートを収集し,アンケート結果や科目試験の結果に基づいた報告書の作成,報告会を実施し,授業の評価,改善に繋がる活動を続けています。

 情報システム専門科については,提携企業講師による職業実践型授業を取り入れ,学生主体の授業が行い,授業終了後のアンケートにおいても高評価を得ています。平成30年度からは他学科においても企業人による講演やBPL授業を展開すべく準備を進めました。

 ITの進展と社会ニーズへの対応に加え,多様化した学生ニーズにも柔軟に応えるために,選択科目の一部には学科・学年横断型や習熟度別授業を取り入れて,できるだけ学生の能力や興味に合う授業を提供しています。平成29年度からは学年縦断型の授業も取り入れ,上級生が下級生を指導しながらプロジェクト開発を体験する演習を実施したところ,社会人基礎力の向上につながる成果が得られたと評価しています。

 本校の学生は与えられた課題を一生懸命に学習し成果を出す受け身型の学びが多くみ,教育課程編成会議において企業委員から主体的に行動できない卒業生がいるとの指摘を受けました。これを改革するためには,教員が「技術を教える」教授スタイルから,「主体的な学び」を導く授業スタイルに変える必要があり,アクティブラーニング導入のための研修を繰り返し実施し教員の意識改革を図っています。「主体的な学び」の場として,システム開発・研究卒業研究や実習・演習科目において,自ら興味分野を見つけ主体的に研究したり共同作業したりすることで,社会人としての求められる基礎的な力を育成しています。

  • 学修成果

 教育実施計画書及び就職指導計画書において教育活動の方針と目標を定め,それに基づいて教育活動を行った結果,平成29年度は,主要目標として設定している進級・資格取得・就職の3部門すべての目標を達成することができました。情報処理技術者試験においては,最難関資格として注目されている情報処理安全確保支援士試験に9名が合格したり,応用情報技術者試験に19名が合格したりするなど上級資格の面で成果を出しましたが,基本情報技術者試験が取得目標45%を2%下回る結果になり,基礎学力の低い学生や修業年限の短い学科生の育成に課題が残りました。情報処理技術者試験は年々高度化しているため,促成で合格レベルに達成させるための教材開発と,学び助け合うクラス運営に,より一層取り組むことが求められています。

 大学併修科生は意欲的な学生が多く,4年生は選択科目である卒業論文に意欲的に取り組み,北海道情報大学で論文を発表するための交通費を自主的に工面してでも最後までやり通し,14名が卒論の単位を修得しました。2,3年生が行ったシステム開発研究や4年生が専門学校生として取り組んだ卒業研究の達成レベルも高く,資格取得率に加え実践力を兼ね備えた「一味違う大学生」として育成できていることを確認しました。

 職業実践専門課程認定学科である情報システム専門科(3年課程)では,毎年企業の講師をお招きしBPL型の授業を行い,その効果の高さを実感しています。学修集大成の場である卒業研究も秀逸なレベルに達していたことを確認しました。

 一方2年課程の学科は,到達技術レベルや資格取得状況は上級学科に比べて見劣りすることは止むを得ないが,企業が求める採用人材レベルは高まっているため,就職試験には難儀しながらも,最終的にはどの学科も就職率100%を達成することができました。

 平成28年度は2/3の学生が県外就職でしたが,平成29年度は1/2に止まり,人材供給の面で地域に貢献することができました。雇用環境は好調であり求人は増えたものの,就職の質は例年並みに止まってしまいました。今後は専門教育のみならず,日々の授業の中でキャリア教育を充実させ,社会人基礎力を育む活動を行い,外部コンテストで成果を出したり種々の外部活動に参加したりして自信を育む取り組みにより,主体的に就職活動ができる学生を育て,就職の質を更に高めていきます。

 情報処理業界標準のベンダー資格取得に取り組むために,Microsoft,Oracle,SEA/J,Comptia等の教育プログラムも導入し,受験会場校として格安で校内で受験できる環境を整え,学習意欲の喚起と成功体験を積ませています。

 本校ではPINE-NETⅡと呼ぶ遠隔教育システムにより,教育工学を駆使して効率的で分かり易い授業をおこなっています。PINE-NETⅡは毎回授業終了後アンケートを収集し,授業改善を図っています。またPINE-NETⅡでは各方面の専門家を招聘して実践的な授業も行っています。その他に資格取得のためのe-Learning教材を積極的に活用したり,難易度を段階的に高めながら理解度を深めていく教材を開発したりした成果が,資格取得率の向上に結び付きました。

  • 学生支援

 本校では学生一人に対し,クラス担任,就職指導担当などが連携して学習・進路をサポートする体制をとり,更に保護者と連携して指導しています。クラス担任による学生相談の他にハラスメント相談窓口や専任カウンセラーによる学生相談を実施しています。

 経済的側面に対する支援体制は,入学対象者に対しては奨学金制度をはじめとした独自の学費支援制度が充実していると考えられます。一方2年目以降については学校独自の奨学生制度がないため,日本学生支援機構等からの奨学金貸与を勧めたり,民間教育ローンの在学中の利息負担を肩代わりしたり,学費の分納や延納の相談に応じたりしています。

 日本学生支援機構等から奨学金の貸与を受ける学生が増えています。卒業後に返済が滞ることがないように,申込・資格確認・返還手続の各タイミングで,返還の意義や,就職することの重要性等を繰返し指導しています。

 平成29年度も退学者を減らすことを教務の最大目標として,教務部長を長とした学科長,担任,教育カウンセラーから構成されるチームによる退学危険予知と防止活動を展開し,保護者と連携した指導を繰り返した結果,退学率3.1%(平成28年度4.4%)に止めることができました。社会的不適応や学習不振に起因する意欲低下が退学に直結するため,先生ははこまめに面談し異状を早めに見つけ,心理面のケアを含めて対応するコンセンサスができ上げっており,先生方の負担も年々大きくなっています。

  • 教育環境

 施設・設備は,教育上の必要性に十分対応できるよう整備しています。実習用パソコン等についても,計画的に更新を行っています(平成29年度は1実習室をリプレース済み)。

 インターンシップについては,年々参加者が増えてきています(平成27年度30名,平成28年度75名,平成29年度67名)が,1,2日程度の短期なものや学校で学んだ専門分野を活かせない就業体験が大半です。受け入れ先としてIT企業が多くはないため,地元IT企業に理解を得て受け入れていただくよう更に努力し,学生が参加しやすい環境を整備いたします。

 本校には体育系の他文科系クラブが多数あり,学生は最低1つのクラブに所属し,集団の中で主体的に活動することを推奨しています。

 ボランティア活動についても推奨し斡旋を行っています。今後は更に外部コンテスト等へ積極的に参加し社会的評価の高い成果を出す取り組みを強化します。

  • 学生の受入れ募集

 学生募集広報については,単年度ごとの募集活動計画書を策定し,入学者獲得のための活動を展開しています。広報ツールの出稿内容や説明表現は,その真実性,明瞭性,公平性,法令遵守等について,担当する広報企画室,入試課が十分な配慮を行うとともに,入学希望者に十分な判断材料を提供できるよう実施しています。

 就職実績や資格取得実績等の教育成果のデータを蓄積し,入学案内パンフレットやホームページ等に正直に掲載しています。特に,入学希望者に対しては最新の就職内定状況や資格取得状況をタイムリーに提供し,事実を正確に伝えています。入学希望者はホームページを閲覧し他校と比較評価し絞り込んでいます。入学希望者や志願者,その保護者からの問い合わせや相談に対しては,オープンキャンパスや学校説明会,個別相談等で適切な対応ができるよう体制を整えています。オープンキャンパスでは,学生スタッフが直接来校者と語らう場面を設け,正直に学校生活を伝えるようにしています。このような取り組みにより,平成30年度入学生は大幅に増やすことができました。

 入学選考については,学生募集要項に記載した日程と入試方法により,適正かつ公平な基準により選考しており,本校の教育内容への理解や熱意も合否判断材料としています。

 学納金は,他校の学納金も参考に,地域特性および学科の特性に合わせて定めています。入学辞退者に対する学納金の返還についても,学生募集要項に返還申出期限を記載し,コンプライアンスを尊重し,社会的に適切な対応を行っています。

  • 財務

 財務状況は,帰属収支差額比率が若干プラスとなっており,財務基盤はほぼ安定していると言えます。

 18歳人口の減少に伴い専門学校への進学減少等が予想され,収益環境も長期的には厳しくなる事が予測されるため,固定費の削減・経費節約に努めるとともに,教育の質の低下をさせないよう,一層取り組んで参ります。

  • 法令等の遵守

 電子開発学園グループ全校において法令や専修学校設置基準等に準拠したほぼ共通の規程・規約等を制定され,監査により運用状況の適切性が確認されています。

 個人情報保護にいち早く取り組み,平成17年からコンプライアンスプログラムを構築しています。その後,平成18年に学校法人としてプライバシーマークを取得しマネジメントシステムへとさらに発展・改善してきました。そのため,教職員に対する教育も徹底しており,学生についてもカリキュラムの中に教育を組み込むことで啓蒙を図っています。情報セキュリティや学生のSNSトラブル等は発生していません。

本校における自己評価の詳細については,本校内で詳細報告書を公開しています。閲覧ご希望の方は,来校日時を予約の上,ご来校ください。

以上